2012年3月13日火曜日

貧血について質問です。 30代女性です。血液検査でヘモグロビンが9、5でフェリチン...

貧血について質問です。

30代女性です。血液検査でヘモグロビンが9、5でフェリチンが4しかありませんでした。

(フェロミアを6ヶ月服用することになりました。)


自分では疲れやすいと感じていますが、貧血になる以前から体力がなく疲れやすいタチなので、このくらいの数値では貧血のせいで疲れやすいというわけでははないでしょうか。

ヘモグロビンはあまりに低すぎるわけではなさそうですが、フェリチンの数値の少なさはどのくらい体力に影響するか知りたいです。

貧血が治ればもっと元気になるかしらと期待しているのですが…

よろしくお願いいたします。







ヘモグロビンは、やはりそれなりに低いですよ。若い方なら症状を感じても良いレベルです。



おおざっぱに書いてみます。

フェリチンというのは、鉄とくっついている蛋白です。「鉄をためる蛋白」、あるいは「鉄の貯金」とも言えます。

そして鉄は、ヘモグロビンの構成成分の1つです。



始めは十分な量の鉄(お金)と十分な量のフェリチン(貯金)があって、ヘモグロビンを十分に作れる(生活を維持する)と仮定します。括弧内は生活にたとえてみたものです。

鉄摂取が不足したり(収入が減る)、出血・月経などで大量に失われたり(支出が増える)して、鉄分が不足してくる(赤字になる)と、フェリチンとくっついている鉄が抜けて(貯金を切り崩す)、ヘモグロビンを作る(生活レベルを維持する)のに使われます。

ですので、鉄欠乏の最初は、ヘモグロビンは正常でフェリチンが減ってきます。潜在性鉄欠乏症といいます。

さらに収入が減る、あるいはさらに支出が増え続けると、フェリチンが枯渇してきます(貯金が底を尽きる)。そうするとヘモグロビンが作れなくなります(生活レベルが落ちる)。このときに、ヘモグロビンもフェリチンも値が小さくなります。



そんな状態で適切に鉄分を補給し続ける(生活を援助してもらう)と、初め血液中の鉄が増えていくのですが、それはヘモグロビンの合成(生活レベルの向上)に使われていきます。ですので、ヘモグロビンは増えても、フェリチンは目に見えて増えてきません。

そしてさらに補給し続けて鉄が余る(大幅な黒字になる)ようになっていくと、ようやくフェリチンが増えていきます(貯金できるようになります)。



消化管が一日に吸収出来る鉄分の量は、実はあまり多くありません。一日の目標摂取は10~12gですが、実際には1~2mg程度しか吸収していないと言われます。そして、鉄を100mg飲んでも10mg吸収できるわけではありません。

そういうわけで鉄欠乏性貧血の治療は、ヘモグロビンを回復させるだけではなく、フェリチンを回復させるところまで十分に、しかも結構長い間鉄剤を飲み続けなければならないんですね。



ということで長く書いてしまいましたが、フェリチンの少なさそのものが症状に関係するというわけではないと言っていいと思います。他に血液の病気がなければ、貧血が治ればもっと元気になりますよ。

0 件のコメント:

コメントを投稿